今年に入ってからも腕を吊ってテレビに出てましたので、
復帰が厳しいとは思ってましたが、いざ引退となると残念です。
もう少しで1000勝で10場制覇も新潟が残るだけでした。
同期の角田晃一とそっくりで、リーディング上位ではないものの、
重賞で何かやってくれるという期待感を抱かせる稀有な騎手であり、
ある意味公務員的で勝ち星だけは上の同期の田中勝春と対極的な騎手と思います。
競馬を見始めたころは、マイネルマックス、ラガーレグルスのイメージでしたが、
印象が劇的に変わったのは2002年の有馬記念。
タップダンスシチーでファインモーションに競りかけて逃げて、
2着に粘ったレース後のコメントですね。
「この馬を買ってくれた人もいる」
その時にちゃんとギャンブラー視点を持った騎手がいるんだと感心しました。
このレースがきっかけでタップダンスシチーは開花したような成績になりましたし、
佐藤哲三という騎手を気にし始めたきっかけでした。
そういう意味で今年のキズナの大阪杯→天皇賞春の乗り方は、
哲三だったら前哨戦からあんな乗り方しないし、天皇賞春の結果も違ったのでは?といいたくものでした。
別に新潟記念のマーティンボロのような無茶苦茶強引な乗り方してまで勝てというわけではありません。
ただ、負けても馬券を買った人間が納得できる騎乗というものを、
騎手たちは増やしてほしいと思うところです。
全国のWINSでも回ろうかなと引退会見で言ってたのが哲三らしいかなと思います。
角田が厩舎経営が軌道に乗ってリーディングでも14位につけてますから、
数年後よくなっているようなら調教師を目指してほしいなと思います。
馬をじっくりと育てるのは上手いですから。